涙道手術(流涙症)

涙道閉塞とは

涙は目尻側にある涙腺でつくられ、目の表面にしばらく留まって、目の表面を潤しまた栄養分の補給をします。その後、不要となった涙は目頭側にある涙点を通り最終的には鼻涙管を通って鼻の奥へと排出されます。
涙点から鼻涙管までの経路を涙道といいますが、その経路のどの部分が詰まっても涙は排出できず、目の表面に留まってしまいます。これが涙道閉塞です。

症状

涙道閉塞を起こすと、常に目に涙が溜まっていたり、哀しくもないのに涙が流れたりします。これを流涙症といいます。また古い涙が溜まったままになってしまうことにより、目の表面に溜まった汚れを十分に洗い流すことができなくなり、細菌に感染して結膜炎を起こしやすいなどの症状が現れます。
さらに、目やにができやすく、涙道で細菌感染をおこすと涙嚢炎となって目頭が赤く腫れ上がり痛みを生じることもあります。
白内障や緑内障の手術のさいに涙嚢閉塞があると、膿を含んだ涙が逆流し手術創から細菌が眼球内に入り込んで眼内炎を起こす危険性もあります。
このようにさまざまなリスクをともなう涙道閉塞は、できるだけ早期に治療する必要があります。たかが涙と侮らず、早めに眼科の受診をお勧めします。

検査

涙道が正常に機能しているかどうかは(排水経路が詰まっていないか)、簡単な検査で調べることができます。

眼球表面の涙液量の測定

表面の涙の溜まり具合の測定。

涙道通水検査

涙点から生理食塩水を注水し、鼻腔に流れてくるかどうかの自覚を確認する。
他にも、涙道の中を直接観察する「涙道内視鏡」や、鼻の中を観察する「鼻内視鏡」を使用すればさらに精密に状態を確認することができます。

治療

涙道閉塞症は目薬の点眼などでは治せません。閉塞部にチューブを挿入するなど、物理的な方法で開通させる治療が必要です。

涙管チューブ挿入術

直径0.9mmという非常に細い専用の涙道内視鏡を涙点から挿入し、涙道内を観察しながら閉塞している部分を確認し開通させていきます。開通した部分に直径1mmのチューブを挿入しそのまま2~3か月留置し、閉塞した部分を拡張させます。
施術時間は10分ほどで、入院の必要もないので日帰りでの治療が可能です。

涙嚢鼻腔吻合術

閉塞した涙道の横にある薄い鼻の骨を一部分だけ取り除いて孔をあけ、直接鼻腔に通じるバイパスを作り、涙道の閉塞を解消させる方法です。
涙道が長い期間閉塞していて炎症や癒着が進み、涙管チューブの挿入ができないケースではこの方法が有効です。

鼻外法

目頭から鼻の横にかけての皮膚を切り取り、涙嚢や鼻の骨を露出させ、直接観察しながら骨の薄い部分を削りとり、そこにチューブを埋め込んで涙を通すバイパスを作る手術です。
1週間程度の入院が必要で抜糸後の退院となります。術後直後は皮膚には切開創が残りますが、およそ3か月程度で目立たなくなります。

鼻内法

涙道内視鏡を使って、鼻腔内の様子を見ながら鼻の粘膜を切開し薄い骨を削ってバイパスをつくります。その後バイパスにシリコンチューブを埋め込みます。
治療効果は鼻外法も鼻内法も同じ程度ですが、鼻腔内部に狭窄がある場合は鼻内法が適応できないこともあります。また鼻腔内に何らかの疾患がある場合はその疾患の治療を先に行ってから鼻内法の手術を行う必要があります。

残念ながら中原眼科では涙嚢鼻腔吻合術に関しては、現状では唯一、当院で行っていない手術であり、親交のある日本屈指の専門術者に紹介させていただきます。

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