ドライアイ・流涙症

ドライアイの種類

ドライアイは目の表面を潤している涙が不足することにより起こり、大きく2つのタイプに分類することができます。
1つめは涙の供給が不足して起こるもので、加齢などが原因となることが多く、これを量的な異常といいます。
2つめは量的には十分涙が供給されているのに、涙の質が変化してしまい、目の表面に留まりにくくなったり、すぐに乾いてしまったりすることによって起こるものです。これを質的な異常といいます。
質的な異常は、涙に適度な粘り気を与えて、目の表面に留まりやすくなるよう働いているたんぱく質成分である「ムチン」の不足や、角膜の一番外にある角粘膜上皮の異常などが原因となって起こるとされています。
ところが近年の研究によって、涙は十分に供給され目の表面が乾いていない状態でもドライアイの症状が起こる「BUT短縮型ドライアイ」が問題になってきました。BUTとは眼の表面を覆っている涙に村ができるまでの時間です。この時間が短くなってしまうタイプで質的な異常のドライアイに分類されますが、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイで長時間作業をする人、コンタクトレンズを長時間使用する人など、比較的若年層多くみられることが特徴です。このタイプのドライアイが増加してきており、これらの条件にあてはまる生活パターンの方は注意が必要です。

ドライアイの治療

涙は目尻側にある涙腺から分泌され、時間がたって劣化し、不要になった涙を目頭側にある涙点から鼻の奥へと排出することで、絶えず目の表面を新鮮な涙で潤し続けるシステムになっています。
ところが何らかの理由で涙の供給が減ったり、涙の粘性が低下したりすると、涙は目の表面に留まることができませんのでドライアイという状態になります。
軽度のドライアイであれば、保湿成分や粘り気の成分を点眼などによって症状を低減することもできるのですが、たんぱく質やビタミンなどを自然な形で含んでいる涙の成分すべてを点眼で補うことはできません。
そこで考えられたのが、涙の排出口である涙点にプラグを挿入して涙の排出を留め、目の表面に涙が溜まるようにする方法です。これを涙点プラグ治療といいます。

涙点プラグの種類

涙点プラグには、シリコン製のものと液体コラーゲン製のものの2種類があります。

シリコン製プラグ

シリコン製プラグは、半永久的に使用できるのが特長です。また、違和感などが生じた場合、取り外せば施術前の状態に戻すことができます。
点眼麻酔をした上で、測定器を使って涙点の大きさを測り、それにあわせたプラグを挿入します。中原眼科では測定から挿入まで1分ほどで完了し、その間痛みもありません。
涙点には上まぶた側の上涙点と下まぶた側の下涙点の2つがあります。ドライアイの状態によって、このうち両方を塞ぐか上下どちらかだけを塞ぐかを判断します。

液体コラーゲン製プラグ

液体コラーゲン製のプラグは、自然の成分でできていますので違和感がでにくく、また体温で固まる仕組みですので、抜け落ちてしまうこともありません。
細い管をつかって涙点に液体コラーゲンを注入します。その後15分ほど目を閉じて過ごすと体温で注入されたコラーゲンが固まり、シリコンプラグと同様の働きをします。
とても細い管ですので、痛みもほとんどありません。
ただシリコン製プラグと異なり、一般的には2か月ほどたつと、分解され人体に吸収されてしまいますので、その間に改善がみられない場合は再度注入する必要があります。

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